予防歯科の大切さ
予防歯科、つまり“虫歯や歯周病のリスクを下げる”ことには、以下のようなメリットがあります。健康はもちろん、口元の審美性、経済的な問題においても、嬉しい効果が期待できます。
身体の健康を守る
何でも食べられる、しっかり噛めることで、身体の健康を守るために必要な栄養素を効率的に取り込めます。食べ物が細かくなってから飲み込むことは、消化を助け、胃腸の負担の軽減にもなります。
口元の審美性を守る
身体に優しく美しい人工材料が開発されていますが、やはり健康な天然歯に優るものはありません。歯を失わないこと、削らないこと、歯ぐきが痩せないことは、口元の審美性を守る上でも重要なポイントです。
トータルの費用を軽減できる
虫歯・歯周病になってから治療をすると、それだけご負担いただく医療費も大きくなります。特に自由診療での治療となると、さらに費用がかさみます。お口にかける生涯の費用という観点から見ると、積極的な予防歯科はとても経済的です。
食事を楽しめる
好きなものを食べられる、家族と同じものを食べられることは、毎日の食事を楽しめることにつながります。彩りのある生活で、精神的な健康も長く保てます。
日本と世界の予防意識の違い
歯科先進国と呼ばれるスウェーデン、ドイツ、アメリカなどと比べると、日本はまだまだ予防意識が低い国です。歯科先進国では、“予防のための受診”が多いのに対し、日本では未だ“治療のための受診”が多くなっています。
「症状はないけれど歯科検診を受けよう」という意識と「痛くなったから治療を受けよう」という意識の差が結果にも大きな違いを生み出しています。
治療から予防へ
予防歯科に取り組んでいても、虫歯や歯周病を100%防げるわけではありません。治療が必要になることもあります。
しかし、治療が必要になった原因を探り、これからの生活に活かすことで、次の口腔トラブルのリスクを下げることができます。「治ったからOK」ではなく、改善点を見つけ、具体的に改善していくことが重要です。
吉崎歯科でも、積極的なアドバイス、サポートを行っております。
主な予防歯科の内容
大人の予防歯科
大人の方には、以下のようなメニューをおすすめしております。
染め出し
虫歯や歯周病の原因となる細菌が潜むプラークを染め出し、磨けていないところを確認します。
フッ素塗布
フッ素化合物を歯に直接塗布することで、歯質を強化し、虫歯になりにくい歯へと導きます。
セルフケア指導
歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロス、洗口液などを用いた、一人一人に合った良質なセルフケアの指導を行います。
PMTC
専用の器具を用いた歯面清掃です。プラークはもちろん、表面的な歯の汚れまでを徹底的に取り除きます。
歯石取り
丁寧にセルフケアを行っていても、やはり少しずつ歯石が溜まっていきます。専用の道具を用い、歯間や歯周ポケット、歯の裏側の歯石を取り除きます。
子供の予防歯科
お子様には、以下のようなメニューをおすすめしております。
フッ素塗布
フッ素化合物を塗布し歯質を強化するフッ素塗布は、歯が生えたばかりの小さなお子様でも安全に受けていただける予防処置です。虫歯になりやすい乳歯や生えたばかりの永久歯を、イオンコートが守ってくれます。
シーラント
虫歯リスクの高い奥歯の溝を、あらかじめ樹脂で埋めておく予防処置です。歯を削る必要もなく、痛みもありません。
セルフケア指導、仕上げ磨き指導
お子様への歯磨き指導はもちろん、保護者様への仕上げ磨き指導も行っております。
自宅でできる予防方法
歯ブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロス、洗口液などを使用したセルフケアの充実に加えて、以下のような取り組みも、予防に役立ちます。
毎食後、すぐにセルフケア
セルフケアは、そのタイミングも重要です。毎食後、すぐに歯を磨きましょう。特に大切なのは、朝と夜のセルフケアです。
だらだらと食べない
食事や間食に時間をかけるほど、お口の中が酸性である時間も長くなり、歯の再石灰化が追いつかなくなります。急いで食べる必要はありませんが、だらだらと食べてしまわないように気をつけましょう。
よく噛む
しっかりと噛み、唾液を分泌させることで、唾液の自浄作用が正しく機能します。
キシリトールガムを噛む
食後やおやつのタイミングなどで、キシリトール配合のガムを噛むようにすると、カルシウムの溶け出し(脱灰)を防ぐことができます。
歯の着色、黄ばみ、黒ずみを予防するには?
着色が気になるからといって、強い力で歯を磨いたり、研磨剤入りの歯磨き粉を使用する方がいらっしゃいますが、いずれも歯の表面を傷つけることになります。一時的に白くなったように見えるかもしれませんが、長期的に考えると逆効果です。
歯の着色は、以下のような方法で予防することができます。
色の濃いものを避ける、口にしたときにはすぐに歯を磨く
カレーやミートソース、コーヒー、コーラなどの色の濃い飲食物ほど、着色を招きやすくなります。できるだけ口にするのを避けたり、口にしたときにはすぐに歯磨きをするようにすると、着色を予防できます。口をゆすぐだけでも効果が期待できます。
ホワイトニング効果のある歯磨き剤の使用
ホワイトニング効果に特化した歯磨き剤が市販されています。その使用により、着色を落としたり、予防する効果が期待できます。
虫歯治療におけるセラミックの選択
セラミックは、プラーク、汚れが付着しにくい材料です。自由診療となりますが、虫歯治療の際にセラミックを選択することで、以後の歯の着色を予防することができます。
禁煙
喫煙も着色を招きます。着色予防だけでなく、お口・身体の健康のためにも、禁煙しましょう。
PMTC
表面的な着色であれば、PMTCによりある程度落とすことができます。また、処置後の歯面はツルツルになっていますので、その後の着色の予防も期待できます。
正しい歯磨きの仕方
まず、鉛筆を持つときのように、3本の指で歯ブラシを持ちます。歯ブラシを歯面に軽く当て、細かく磨いていきましょう。細かく動かすことで、歯ブラシの毛先が歯間に入りやすくなります。
特に歯の表側を磨くときには、歯と歯ぐきの間に45度の角度でブラシを当てると、プラークの溜まりやすい境目に毛先が届きます。また、磨く歯の順番を決めておくと、磨き残しを少なくすることができます。
歯並びや磨き方の感覚は患者様によって異なりますので、ブラッシング指導の際には、一人一人に合った磨き方を指導させていただきます。